松山油脂では、山神果樹薬草園で搾汁した後の柚子の種子を活用し、エキスを自社抽出しています。皆様に長くご愛用いただいている「柚子(ゆず)护手霜」にも、保湿成分として柚子種子エキスの配合を始めました。
種子に着目したのは、古くからの知恵の活用でもあります。柚子の種子は、民間療法の分野で以前から使われてきた素材です。柚子種子を漬け込んだ日本酒や焼酎は、お酒として親しまれ、あるいは、薄められ化粧水として使われてきました。これには科学的根拠もあります。柚子の種子を水につけるとヌルっとしてくるのですが、これはペクチン、水溶性の食物繊維で保湿作用があるのです。
山神果樹薬草園でも柚子の種子をぜひ生かしたい。松山油脂富士河口湖工場・富士北麓ラボラトリーと連携して検討を進めました。溶媒の種類、抽出温度や時間、柚子の種子は乾燥させたほうがよいのか、押しつぶしたほうがよいのかなど、溶質にも条件を設定しました。試作し、テストする。それを繰り返すこと4か月間、36通り。角質層の水分量を向上させるエキスの抽出条件を導き出すことができました。
今後もMマークシリーズの製品、「柚子(ゆず)ボディローション」や「柚子(ゆず)沐浴露」、11月1日新発売の「濃密柚子(ゆず)のボディローション」など、柚子の成分を使用している製品に順次配合していく予定です。