MATSUYAMA

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松山油脂山梨プロジェクト

松山油脂山梨プロジェクト

私たち松山油脂では、肌を「内側と外側」の両面からすこやかにする植物について研究し、栽培と原料への展開を進めています。その一環として、松山油脂富士北麓ラボラトリー(山梨県)で研究開発を進めたモモ果汁発酵液に、角質層の水分保持効果とキメ・毛穴の改善効果があることを見出しました。

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開発スタートはひとつの出会いから
それは2017年の秋のこと。松山油脂は山梨大学の長沼孝文博士から、酵母を用いた技術を供与されました。長沼博士は、微生物研究を通して環境問題や社会貢献に取り組んでおられます。長沼研究室では、モモ果汁に含まれる糖を脂質に転換して体内に蓄積する酵母を見つけ出し、生産培養システムの確立に成功しました。私たちは、この技術を用いる過程で酵母が生み出す多糖類に着目し、独自の研究開発を続け、発酵液の有用性を見出すに至りました。
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モモ果汁発酵液とは

モモ果汁発酵液とは

モモ果汁に含まれる糖が分解される(発酵)過程で得られる液体、それが「モモ果汁発酵液」(以下、発酵液)です。発酵液には、ヒアルロン酸同様、水分を蓄える働きのある多糖類が含まれています。多糖類には、一般的に保湿作用があることが知られていますが、松山油脂では、発酵液の保湿作用や乾燥防止作用を確かめるため、検証を始めました。

モモ発酵液エキスのできるまで

流れ
  1. 集積 モモを集める 傷や過熟のために青果として出荷できないモモを山梨県内の農園から集めます。
  2. 搾汁 モモをしぼる 集めたモモを細かくしたあと、圧力をかけて搾り、果汁を抽出します。
  3. 調整・滅菌 酵母の生育環境を整える 果汁のpHを調整して発酵環境を整え、121℃の高圧蒸気で20分間かけて滅菌します。
  4. 酵母接種・発酵開始 酵母を活動させる 酵母をモモ果汁に移し替えます。ここから酵母がさかんに活動を始めます。
  5. 発酵 モモの糖が分解される フラスコで酵母を増やしたあと、約100リットルサイズまでスケールアップしながらモモ果汁の糖の分解(酵母による発酵)を進めます。
  6. 発酵終了〜遠心分離 酵母を取り除く 約10日かけて発酵を終了させます。粘性のある液体を遠心分離して酵母を取り除きます。
  7. 完成 発酵液を取り出す 遠心分離器にかけたあと、保湿成分を含む(多糖類)発酵液のみを取り出します。
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発酵液のすぐれた作用

発酵液のすぐれた作用
発酵液のすぐれた作用
検証の結果、発酵液を配合した試作品使用直後の肌の水分量が、平均7%向上していることがわかりました。加えて、1週間の継続使用で、肌のキメがはっきりして毛穴が引き締まっていることが認められました。試作品のモニターからも、「肌に浸透していると感じた」「しっとりするのにベタつきは感じられなかった」「冬でも十分な保湿効果を感じた」「化粧ノリがよくなった」といった感想が得られました。
アレルギー物質の不活化
アレルギー物質の不活化
モモはアレルギーの原因になりやすい食物のひとつです。ただし、発酵液の原料であるモモ果汁には、製造時に高温高圧の処理を施します。その過程でアレルギー物質(タンパク質)は不活化し、アレルゲンになりにくくなります(すべての方にアレルギーが起きないわけではありません)

山梨県の果樹農業

山梨県の果樹農業

富士北麓ラボラトリーがある山梨県は果樹の産地として発展し、果樹農業は、山梨県の農業生産額の50%以上を占める基幹産業になっています。なかでも、モモ、ブドウ、スモモは全国一の収穫量を誇ります。

日本地図
グラフ 山梨県 地図

なぜ果樹農業が発展したか。それは、晴天率が高くて日照時間も長い、雨量が少ない、寒暖差が大きいといった自然条件に恵まれているからです。加えて、首都圏に隣接するという運搬や販売に有利な立地条件もあり、全国に誇る果樹の産地となりました。

山梨県の地形
笛吹
果樹栽培に適した山梨県の地形
山梨県は日本列島のほぼ中央に位置しています。形状はおおむね円形で、東西および南北の長さは約90キロメートル、総面積は4,465平方キロメートルです。中心部の甲府盆地を除いて平地部は極めて少なく、総面積の約86%を山地が占めています。急峻な山岳から雨水などによって運ばれた土砂は、大小さまざまな扇状地を形成しています。扇状地とは、読んで字のごとく扇状に広がった地形のことです。川の流れによって運ばれた砂礫を含む土壌であるため、水はけがよいのが特徴です。扇状地で栽培される果実の糖度が高いのは、この水はけのよさで果実が水っぽくならず、甘みが濃縮されることによるものです。発酵液の原料となるモモの多くは、扇状地である山梨県笛吹市で収穫されています。
引用文献:『山梨県文化財保存活用大綱』(2020年、山梨県教育委員会)
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価値のないものを価値あるものへ

価値のないものを価値あるものへ
価値のないものを価値あるものへ
生産されるモモのなかには、キズや過熟のために青果としては出荷できず、ジュースなどの加工用に回っているもの、摘果されて埋め立てられたり、焼却処分されたりするものもあります。私たちはこの点に着目し、青果としては出荷されないモモを発酵液の原料にすることとしました。
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ところが、現在は山梨県でも後継者不足による栽培面積と生産量の減少、耕作放棄地の増加が進んでいます。そこで、私たちは原料モモを通常の流通価格より高値で購入し、生産者の方の意欲を引き出そうと考えました。原料モモを化粧品の素材に転換して付加価値を高め、適正な価格で販売し、利益を生産者に還元するのです。その結果、意欲を高めた生産者の方から再度モモを買い取り、化粧品の素材に転換する、販売する、利益を還元する、という循環が生まれます。これは、価値がないとされているもの(無価物)を価値のあるもの(有価物)へと変える、持続可能な地域振興へとつながる取り組みでもあります。

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