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四国は徳島県。県庁所在地の徳島市から20分の距離にある徳島県唯一の村、佐那河内村。村のなかで山神と呼ばれる地区の段々畑の中腹に、山神果樹薬草園はあります。農産物の加工場もある農園として2019年から徐々に活動を始めました。

農園では、和柑橘(柚子・すだち等)を栽培します。工場では、それら和柑橘の外皮(外側の厚い果皮)から精油を抽出します。抽出には、日本では稀有なペラトリーチェ方式に挑戦します。金属製の爪で外皮だけを強く掻き取りながら、表面のボコボコとした油包をつぶして精油を取り出す、という方式です。

その後、外皮を取り除いた状態で果実を搾って果汁を抽出するため、果汁と精油は接触することがありません。精油と果汁、それぞれをフレッシュな状態で得ることができます。搾った後の繊維質(パルプ)はヨーグルトなどに添えるピューレにしたり、ジャムやドレッシングにしたりするなど、最後まで食べ切ります。

山神果樹薬草園は、モノをつくる場にとどまりません。人の輪と和を広げることができる場としても育てていきたいと思っています。だから、工場は四角くて大きな無機質の箱ではなく、母屋があって、離れがあって、納屋があってという、農家を連想させるような設計にしました。村の人も村の外から来た人も、気軽に立ち寄ってお茶を飲める場所、縁側のようなテラスもつくります。

徳島県は柚子やすだちの産地です。柚子は全国2位、すだちに至っては日本一の生産量を誇ります。しかし、すべての果実が収穫されるわけではなく、一部は放置されているというのが実情です。そこで、山神果樹薬草園では、価値を生み出すことができずにいる未収穫の果実を、精油を抽出するための原料にし、価値のあるモノとして生まれ変わらせます。農家から適正な価格で買い取り、加工し、販売し、収益を上げてまた果実を買い取る、という循環をつくり上げます。

このような私たちの取り組みが活気づけば、村の外からも人を呼び込むことができるのではないか。新たな人が村に住み暮らし、ともに働く。そうすることで村がさらに活気づくのではないか。そして、村外の人がまた村にやって来るのではないか。そのような人の循環も、私たちは担いたいと思っています。

特別なことをするのではなく、「再生と循環の実践」を通して、今日求められている持続可能な社会をつくっていく。山神果樹薬草園は、5年10年という時間をかけてその実現に努めます。

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